2010年05月28日

「政府が悪くても幸せになれる」 少子化対策(産経新聞)

 少子化に歯止めをかけるにはどうしたらよいのか。前東大総長で三菱総合研究所の小宮山宏理事長は、国民自らが行動を起こすことの必要性を強調する。

     ◇

 −−少子化に歯止めをかけるには

 「3つある。重要な順からいうと、1番目は子供をつくりたくなるように午後5時になったら帰れて、仲間がだれも白い目でみないという社会をつくること。2番目は子供を無条件に保育所に預けることができること。3番目が財政的な支援だ」

 −−具体的には

 「私が東大総長のとき午後5時以降の公式会議を原則禁止にした。午後5時に帰ることを公式に表明して、それが当たり前と納得することが重要だ。今の時代、女性が社会に出るのは当たり前だ。働きながら子供をつくることが保障された社会でないといけない」

 −−欧州でもそうか

 「先進国で出生率が高い国、デンマークやスイスなどをみていると一番の違いはそこだ。北国で夏の日が長いこともあるが、デンマークでは午後5時から町中でピクニックをしている。スイスでも午後5時以降に湖畔へピクニックに来ている。ああいうのをみて『子供を持つっていいな』と思うから子供をつくる気になる」

 −−子供とふれ合う時間が大事ということか

 「仕事をしていると張り合いがあり、その中で子供をつくったら仕事を辞めなければならない。子供をつくっても午後8時まではみな普通に仕事をしていて、保育所の迎えが午後6時までなんて考えたら、だれも子供をつくらないだろう。子供を持つのはいいことだと思えるような雰囲気が一番重要。その一番の具体策が午後5時以降の公式会議禁止だ」

 −−保育所サービスの拡充は

 「2番目にやるべきことは無条件に保育所があるということだ。そのために幼保一元化なんて当たり前。日本は幼稚園の定員の3割が空いているのだから、幼稚園が預かればいい。それで3つめがお金。子ども手当はそれに該当するが、100やるべきことの中の10が始まったというような感じで、まだ9割はやっていない。大事なことの1と2が抜けている」

 −−少子化対策のリーダーシップは誰が

 「今いったことの相当部分は国とは関係なく市民や企業がやればいい。『国だ、国だ』といっているのは途上国の発想だ。自分たちの社会なんだから自分たちで決めればいい。先進国とは、一言でいうと自分の社会の制度を自分たちで決められるということ。だから実態に合わなければ変えるのは当たり前。日本の社会はお上に頼る意識が強すぎる。自分たちのことを自分たちで決める勇気がない」

 −−ただ、一般の国民は少子化問題をいつも認識しているわけではない

 「最近はずいぶん話題になってきた。国の出生率にはそれほど危機感を持っていないかもしれないが、自分の子供がいない、子供が結婚しない、孫がいない、そういう形での思いは強くなってきているのではないか。極論すれば、政府が悪くても市民は幸せになれる」

 −−政府の関与は少なくていいということか

 「少子化というのは少し長期で考えれば一番の課題。企業が『ウチの会社は午後5時以降の公式会議は禁止しよう』といってやったらいい。あまり家庭の中に政府が入るべきではないだろう。午後5時以降の公式会議禁止という法律を作った方がいいのかもしれないが、さすがにそこまでやらないと日本は動かないのかと情けなくなる」

 −−社会の価値観を変えないといけない

 「おっしゃる通りだが、価値観が変わるというのは『百年河清を待つがごとく』で、順序が逆だ。私は現実が変わって、価値観が変わっていくのだと思う。『価値観を変えろ』といっても変わらないが、『ウチの会社は午後5時以降の公式会議は禁止』というと何でなんだと考えるようになる。現状が世界の非常識で、むしろ午後5時で帰る方が常識なんだという思いになる。社長が言えば少しは変わるかもしれないが、社長は本当はもうけたいのだから反対だろう」

 −−雇用が不安定な若者も多い。結婚したくてもできない状況もある

 「貧困感というのは相対的なものだから、昔のことを言ってもしようがないかもしれないが、私の最初の月収は7万円くらいだった。ただ、今の若者と違って将来は上がると思っていた。今の若者が子供を産んだときに生活が楽になるくらいの所得保障はしてあげるべきだ。だが、それは3番目にやること。すでにフランスはやっているが、100年近く『少子化を何とかしなければならない』とずっとやっている」

 −−日本人は少子化問題への危機感が乏しい

 「出生率が2・07にならないと日本はなくなってしまう。『人口は多すぎるので少し減った方がいい』という人もいるが愚の骨頂で、今の出生率1・3が続けば150年くらいで実質的になくなるといってもいい。日本人が5000万人くらいになったらなくなったのと同じだ。しかも、そのときには若い人はいなくて、年寄りばかりで5000万人。だから1・3が続けば100年後にはなくなると言った方がいい。そういうぐらい重要な問題だ」

 −−もっと危機感を持つべきだ

 「高齢化というのは悪いことではない。高齢化というのは知恵のある人が増えるのだから。60歳を超えて75歳くらいまでの知恵のある元気な人々は日本の資産だ。高齢化は別に悪いことではないが、少子化は悪いこと。子供をつくらないというのは『嫌な社会』ということだ。子供を産むことを強制はできないが、子供を産みたくなるような社会でなくてどうするのか。政府だけの責任ではなく、むしろ勝手に市民がやればいい」

 −−何から手を付けるべきか

 「大変だというのはもう分かっている。だから冒頭に挙げた3つをやれといっている。しかも1番目の午後5時以降の公式会議禁止は金がかからない。午後5時に堂々と帰っても会社の業績は下がらないと思う」

 −−なかなか危機意識は広がらない

 「自分の子供が子供を持つころになって『何で自分の娘は結婚しないのだろう』と考える。その答えは簡単で、具体的にいえば、“お世話焼き”がいなくなったから。昔はお見合いをさせて『どうも気が進まない』といっていても、『そのうち仲良くなるから』といって結婚させていた。それが自由になって、結婚しない人が出てきた。だから産まなくなった。それに産むより産まない方がとりあえず楽で楽しい。それと社長が悪い。来年の利益のことしか興味がなくて、社員に、いったいどれくらい子供がいるかなんて興味がないんだろう」

 −−確かに、企業で家庭的な雰囲気が薄れてきた

 「明治までは農業でコミュニティーが形成されていた。一緒にやらないと作業できないから自然とコミュニティーができて、その中で子供もどんどん生まれた。そのうち企業がコミュニティーの役割を果たすようになった。生涯雇用だし、その中で子供も生まれていった。そのときは家庭に奥さんがいるのが普通だった。お盆には国に帰っていたので、地域にもコミュニティーがあった」

 −−コミュニティーが希薄になった

 「女性が嫁として負担を負っていたということもあり、だんだん『私も働きたい』というふうになる。それと同時にグローバライゼーションで企業の雇用も大変になってくる。いわゆる人のきずなみたいなものをそぎ落としていった。今は社員旅行とかがなくなった。そういう形でコミュニティーも失った」

 −−経団連などが提言しないと変わらないのでは

 「情けないかもしれないがそうかもしれない。そのためにも景気がよくならないといけない。ただ、金という面では寄付税制がポイントになる。寄付を1万円までは無条件に税額控除する。10万円とか100万円の単位で税金を払っている人は多いので、そのうちの1万円までは寄付したときに税額を控除する」

 −−もっと詳しく

 「相続税なども例えば1億円までは保育所の充実などある目的に出したときには税額控除する。税金として国に納めてもいいし、自分がやるべきだと思うところに寄付してもいい。『今税金がないのにそんなことをしたら』といわれるかもしれないが、脱税していた部分がたくさん出てくる。税金と寄付の合計が今の税金の総額よりも多くなればいい。税金を財務省に全部考えて配ってもらわなくてもいい。これは増税よりもいい意味の効果がある」

 −−寄付を少子化対策に活用するということか

 「そうだ。さらにイノベーションにも使う。自分の遺産から10億円をそこに寄付すると、20億円の税金のうち10億円はかからなくなる仕組みにする。今まで徴税を逃れている分が出てくるので税金と寄付の合計は増える。これまでは財務省の官僚が一番頭がいいから、彼らに使ってもらうのが合理的だといわれてきたが、そうではないのが先進国だ」

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2010年05月14日

「恋愛と結婚は別」傾向が強まる(産経新聞)

【風(8)女の生き方】

 しばらくお休みをいただいた「風」だが、もう少し「女の生き方」をテーマに話を進めたい。

 これまで当欄に寄せられた意見の中には《結婚を考える前に恋愛を》《本当に愛することができる人にめぐりあいたい》など、恋愛観や結婚観に関するものも数多くあった。

 《結婚したのは、好きな人ができて「この人の子供が産みたい」という本能的・圧倒的な気持ちがあったからです》。英国在住のファンドマネジャーの女性(52)からは、そんなメールをいただいた。

 女性は長年にわたって海外の金融機関で勤務。その間に結婚し、2人の子供をもうけた。ただ《圧倒的な気持ち》の半面、結婚は、その時々の状況や運など、さまざまな要素が絡みあった結果だと感じているそうだ。

 女性は《結婚するか、未婚のままか、どっちが得か考えてみようなどという余裕はありませんでした》と、無我夢中だった自分を振り返っている。

 一方、9年前に結婚したという生花店を営む女性(43)は《仕事を好きなだけさせてくれること、料理は主人が作ること、財布は別であること》の3点で合意したことが、結婚の決め手になったという。「理解ある男性」の存在は、仕事を持つ女性にとって、結婚への大きな推進力になるようだ。

 最近では、インターネットの普及で情報が多様化し、恋愛観や結婚観が複雑化していると指摘する専門家もいる。出会いを斡旋(あっせん)する“婚活サイト”をのぞいてみると、希望する収入や趣味、学歴など条件を設定して相手を絞り込むシステムが導入されており、より現実的な要素が重視されているような印象を受ける。

 アクサ生命が今年3月にまとめた独身女性600人を対象とする「オトナの女のリスク実態調査」によると、理想の年収は結婚相手が平均552.2万円だったのに対し、愛する人に求める年収は270.5万円と、大きな差があった。

 「恋愛と結婚は別」とはよく聞くフレーズだが、こうした結果をみると、最近はその傾向がより強まっているのではないかと感じさせられる。(佳)

      ◇

Eメール Kaze@sankei.co.jp FAX 06−6633−1940 郵送 〒556−8661(住所不要)産経新聞社会部「風」 お便りには、ご自身の電話番号、年齢を明記してください

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posted by フジマ タケオ at 18:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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